2025.10.16GOALZ

“行けない”を“行けた”に変える外出支援


「行きたいけれど、もう無理かもしれない」――そんな想いに寄り添い、GOALZが取り組む外出支援。
今回は、利用者5名とスタッフ2名が挑戦した万博記念公園への“みんなで遠足”の様子をお届けします。

●何気ない一言から生まれた企画

「足の不自由な妻ともう一度万博に行きたい」。
Sさまのその一言が、今回の遠足のきっかけでした。
車内で話を聞いていたWさまが「それなら、あらたかさんにお願いしたら?」「行くなら私も行こうかな」と応じ、その輪が少しずつ広がっていきました。

Sさまの奥様も別曜日でARCをご利用されており、来所時に「本当に連れていってくれるの?」と笑顔。そこから話が具体化し、利用者5名とスタッフ2名、計7名での“万博遠足チーム”が結成されました。

●出発前の綿密な準備

まず最初に職員たちが話し合ったのは、安全面でした。
「どのように介助につくか」「トイレはどこに、どれくらいあるのか」。
5名の利用者さまを人混みの中で安全に誘導するには、フォーメーションの工夫が必要です。体力的な負担も考慮し、最大移動範囲を設定。また、トイレ利用のタイミングや導線も事前に確認し、地図を広げて何度もシミュレーションを行いました。


●当日は秋晴れ、笑顔のスタート

前日まで雨予報だった空も、当日は見事な晴天に。
最初に訪れたのはインドネシア館。長いスロープをSさまが奥様の車椅子を押しながら進み、展示をゆっくりと鑑賞されました。
「この人の多さの中で、一つでも見られてよかったな」とTさまの笑顔。

続いて奥様の希望でモナコ公国館へ。7名という大所帯でしたが、スタッフの方々が温かく迎えてくださり、皆で景色や体験を満喫しました。
昼食は持参した軽食でひと休みした後、エレベーターに乗り大屋根リング上の約200メートルを歩き切りました。互いに声をかけ合いながらの道のりに、自然と笑顔が生まれました。

●「外に出る自信がついた」

帰り際には「お土産を買って帰りたい」との声も。
レジ前は長蛇の列でしたが、「これも一つのリハビリやね」と笑いながら並び、「外に出ることに少し自信がついた」と話される姿が印象的でした。

小雨の中を無事に帰路へ。
誰一人けがもなく、全員が笑顔で施設に戻ることができました。
一番難しかったのは、5名の利用者様を安全にどう行動するか――。それでも“やってみよう”と一歩を踏み出せたことが何よりの成果でした。

●GOALZが目指す“リハビリのその先”

GOALZでは、リハビリを“目的”ではなく“手段”として捉えています。
「リハビリをして、何をしたいか」を実現することこそが、私たちの目指す支援のかたち。今回の遠足は、その理念を体現する一日となりました。

これからもGOALZは、利用者一人ひとりの“やってみたい”を叶えるため、安全で心に残る外出支援を続けていきます。