2025.09.09nomane
ある日、施設に一本のお電話がありました。
「入居者さまに美容レクリエーションをお届けできますよ」——そんなご提案でした。
スタッフだけではなかなか難しいメイクやネイル。けれど、美容の研修を受けた方が来てくださるとのことで、「女性の入居者さまに喜んでいただけそう!」と、皆で胸が弾みました。さっそく「参加してみませんか?」とお声をかけ、ご家族さまにもご相談。結果、8名の方が参加されることになりました。
迎えた第1回「メイク&フォト」。
最初は少し緊張した表情を浮かべていた方も、化粧水で肌を整え、ファンデーションを重ね、口紅やチークの色を選ぶうちに、だんだんと表情がやわらぎます。
「この色にしようかしら」「こっちも似合うかな」——そんなやりとりに、周りからも自然に笑い声が広がっていきました。
仕上げにスカーフやお花を身につけて、いざ写真撮影。カメラの前で見せてくださった笑顔は、これまで見たことのないほど輝いていて、私たちスタッフも胸がいっぱいになりました。
その写真をすぐにご家族さまへお届けすると、「母がこんなに楽しそうに笑っているのは久しぶりです。本当に参加させてよかった」と温かいお言葉をいただきました。
ほんの少しのメイクと笑顔が生み出す大きな力。これからも、皆さまの心に花が咲くような時間を大切にしていきたいと思います。